Gt(ROSA)26Sor遺伝子は、Phillip Sorianoらによって、ROSAベクターを用いたジーン・トラップ法で発見された遺伝子座です。この遺伝子座へのノックインマウスが数多く作製されている理由として、以下が挙げられます。
- ROSA promoterからの転写は均一ではないもののユビキタスである
- Gt(ROSA)26SorKOホモ接合体マウスは、表現型が認められず健康である
- ES細胞における相同組換え効率が高く、相同組換えES細胞クローンを樹立しやすい
このようなセーフハーバーサイトとしての特徴を持つGt(ROSA)26Sorlocusへのノックインマウス作製サービスを、各種ベクターバックボーンを用意して提供いたします。
特長
01
ユビキタスなプロモーター活性を有し、エピジェノミックな影響を受けにくい
02
外来遺伝子の安定的な発現
03
ホモマウスでもROSA26遺伝子破壊の表現型が現れない
04
ES細胞における高い相同組換え効率
標準作業
内容・価格
工程
相同組換えベクターの構築
標準作業内容
- デザイン案の作成
- 目的のトランスジーン配列の受領
- デザイン案に基づき、当社ベクターと導入遺伝子を用いて相同組換えベクターを構築
期間
約2ヶ月
価格(税別)
30万円
工程
相同組換えESクローンの
樹立
樹立
標準作業内容
- ES細胞株へのエレクトロポレーション
- 薬剤耐性ESクローンのピックアップ
- PCRによるスクリーニング
- PCR解析、Neoプローブによるサザンブロット解析により、相同組換えESクローンを樹立
期間
約3ヶ月
価格(税別)
100万円
工程
キメラマウス作製
標準作業内容
- 最大3クローンの相同組換えESクローンを用いて、キメラマウス作製(全てのキメラマウスがES細胞寄与率80%を下回る場合、再作製)
期間
約3ヶ月
価格(税別)
70万円
工程
ヘテロマウス作製
標準作業内容
- 自然交配による生殖系列キメラマウスの同定(ES細胞寄与率上位4匹のキメラマウスを、野生型マウスと交配)
- 第1世代(F1)ヘテロマウスの取得
期間
約3ヶ月
価格(税別)
70万円
合計
※納品にかかる微生物検査費、輸送費は別途必要です。
期間
約11ヶ月
価格(税別)
270万円
工程 | 標準作業内容 | 期間 | 価格(税別) |
---|---|---|---|
相同組換えベクターの構築 |
|
約2ヶ月 | 30万円 |
相同組換えESクローンの 樹立 |
|
約3ヶ月 | 100万円 |
キメラマウス作製 |
|
約3ヶ月 | 70万円 |
ヘテロマウス作製 |
|
約3ヶ月 | 70万円 |
合計 ※納品にかかる微生物検査費、輸送費は別途必要です。 |
約11ヶ月 | 270万円 |
工程
薬剤耐性遺伝子の除去
標準作業内容
F1ヘテロマウスとCAG-Flpマウス(あるいは、CAG-Creマウス)との交配により、薬剤耐性遺伝子を除去。さらに、野生型マウスと交配させ、Flpトランスジーン(あるいは、Creトランスジーン)を除去
期間
約6ヶ月
価格(税別)
90万円
工程 | 標準作業内容 | 期間 | 価格(税別) |
---|---|---|---|
薬剤耐性遺伝子の除去 | F1ヘテロマウスとCAG-Flpマウス(あるいは、CAG-Creマウス)との交配により、薬剤耐性遺伝子を除去。さらに、野生型マウスと交配させ、Flpトランスジーン(あるいは、Creトランスジーン)を除去 | 約6ヶ月 | 90万円 |
- ※ 納品にかかる微生物検査費、輸送費は別途必要です。
オプション:スキップサービス(キメラマウスとCAG-Flpマウスの交配により生殖系列移行と薬剤耐性遺伝子除去を同時実施)
工程
薬剤耐性遺伝子除去
スキップサービス
スキップサービス
標準作業内容
- ES細胞寄与率上位のキメラマウスとCAG-Flpマウスの自然交配の実施※1
- PCR解析による薬剤耐性遺伝子が除去された第1世代(F1)マウスの同定
- 薬剤耐性遺伝子が除去されたF1マウスと野生型マウスの自然交配の実施※1
- PCR解析によるCAG-Flpトランスジーンが除去された第2世代(F2)マウスの同定
- 8週齢までのF2ヘテロマウスの飼育
期間
約6ヶ月
価格(税別)
170万円
工程 | 標準作業内容 | 期間 | 価格(税別) |
---|---|---|---|
薬剤耐性遺伝子除去 スキップサービス |
|
約6ヶ月 | 170万円 |
- ※1 1ヶ月間の交配で妊娠が確認されない場合、交配ペアを変更しさらに1ヶ月交配を実施します。
- ※ 納品にかかる微生物検査費、輸送費は別途必要です。
- ※ CAG-Creマウスでのスキップサービスも可能です。
ES細胞を用いた相同組換え法での実施例
ROSA26遺伝子座は、発現がユビキタス・エピジェノミックな影響を受けにくい・相同組換え効率が高い・ホモKOで表現型を示さない、といった特徴があり、ノックインに汎用される遺伝子座です。
樹立した相同組換えES細胞からマウス作製
樹立した相同組換えES細胞よりマウスを作製します。計画通り遺伝子改変用ベクターが挿入されたES細胞(最大3クローン)からキメラマウスを作製します。F1マウスを作製し、相同組換え形質転換したES細胞が生殖系列へ移行しているかを確認後、ヘテロマウスを取得いたします。