現在、環境省を中心に、水質汚濁防止法による排水規制に加えて、生物応答を用いた新たな排水管理手法(Whole Effluent Toxicity:WET)の導入に向けた検討が行われています。WET試験では、魚類、甲殻類、藻類などの環境中生物への影響を指標にして、排水や環境水の安全性を総合的に評価します(事業所からの排水や環境水をこれらの試験生物に暴露し、その孵化や増殖、生存挙動における異常の有無から試験水の生物影響を判定します)。

排水WET試験

01 魚類初期胚・仔魚短期毒性試験(工場排水)

魚類初期胚・仔魚短期毒性試験(工場排水)の概要

魚類の受精直後の胚(卵)を5段階(通常は5、10、20、40、80%)に希釈した排水に暴露し、ふ化日(ふ化0日後)から5日後まで暴露して、死亡数や発生に異常が観察される個体数を調べます。生存率、ふ化率、ふ化後生存率、生存指標を算出し、各指標に基づいて最小影響濃度(LOEC)および最大無影響濃度(NOEC)を求めます。

基本仕様

試験系

ゼブラフィッシュ、ヒメダカなど

検査・実験

暴露(設定濃度:通常は5、10、20、40、80%)、症状観察、試験水調査

試験系 ゼブラフィッシュ、ヒメダカなど
検査・実験 暴露(設定濃度:通常は5、10、20、40、80%)、症状観察、試験水調査

基本納品物

基本

報告書タイプ(概要・方法・結果・考察を詳述した「詳細タイプ」を提出いたします。)

基本 報告書タイプ(概要・方法・結果・考察を詳述した「詳細タイプ」を提出いたします。)

納期

試験開始後1.5ヶ月

※ 上記はあくまで目安です。試験設計、報告書タイプ、受託時期などにより納期は変動します。お急ぎの場合はご相談下さい。

ガイドライン

  • 生物応答を用いた排水試験法(検討案)
  • OECD Guideline for Testing of Chemicals 212(21 September 1998: Fish, Short-term Toxicity Test on Embryo and Sac-fry Stages)
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02 ミジンコ類繁殖試験(工場排水)

ミジンコ類繁殖試験(工場排水)の概要

生後24時間以内のミジンコ幼体を5段階(通常は5、10、20、40、80%)に希釈した排水に8日間暴露し、産仔数(親ミジンコ1頭あたりの累積産仔数)や親ミジンコの死亡数を調べます。産仔数の比較により、最小影響濃度(LOEC)および最大無影響濃度(NOEC)を求めます。

基本仕様

試験系

ニセネコゼミジンコ

検査・実験

暴露(設定濃度:通常は5、10、20、40、80%)、産仔数計数、症状観察、試験水調査

試験系 ニセネコゼミジンコ
検査・実験 暴露(設定濃度:通常は5、10、20、40、80%)、産仔数計数、症状観察、試験水調査

基本納品物

基本

報告書タイプ(概要・方法・結果・考察を詳述した「詳細タイプ」を提出いたします。)

基本 報告書タイプ(概要・方法・結果・考察を詳述した「詳細タイプ」を提出いたします。)

納期

試験開始後1.5ヶ月

※ 上記はあくまで目安です。試験設計、報告書タイプ、受託時期などにより納期は変動します。お急ぎの場合はご相談下さい。

ガイドライン

  • 生物応答を用いた排水試験法(検討案)
  • OECD Guideline for Testing of Chemicals 211(21 September 1998: Daphnia magna Reproduction Test)(参考)
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03 藻類生長阻害試験(工場排水)

藻類生長阻害試験(工場排水)の概要

指数増殖期の藻類を5段階(通常は5、10、20、40、80%)に希釈した排水に暴露し、0-72時間の生長速度および生長阻害率を求め、50%生長阻害濃度[ErC50(0-72h)]を算出します。また、0-72時間の生長速度の比較により、最大無影響濃度[NOECr(0-72h)]を求めます。生長とは、暴露期間中の生物量の増加をいいます。

基本仕様

試験系

ムレミカズキモ

検査・実験

暴露(設定濃度:通常は5、10、20、40、80%)、生物量(細胞濃度)測定、形態観察、50%生長阻害濃度[ErC50(0-72h)]算出、最大無影響濃度[NOECr(0-72h)]判定、試験水調査

試験系 ムレミカズキモ
検査・実験 暴露(設定濃度:通常は5、10、20、40、80%)、生物量(細胞濃度)測定、形態観察、50%生長阻害濃度[ErC50(0-72h)]算出、最大無影響濃度[NOECr(0-72h)]判定、試験水調査

基本納品物

基本

報告書タイプ(概要・方法・結果・考察を詳述した「詳細タイプ」を提出いたします。)

基本 報告書タイプ(概要・方法・結果・考察を詳述した「詳細タイプ」を提出いたします。)

納期

試験開始後1.5ヶ月

※ 上記はあくまで目安です。試験設計、報告書タイプ、受託時期などにより納期は変動します。お急ぎの場合はご相談下さい。

ガイドライン

  • 生物応答を用いた排水試験法(検討案)
  • OECD Guidelines for the Testing of Chemicals 201(23 March 2006: Freshwater Alga and Cyanobacteria, Growth Inhibition Test)
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